※このブログはHATENA blog『とんでん鍼灸整骨院 院長ブログ』2017年3月29日を再編集したものです。
目次
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脊柱管狭窄の特徴
歩くと足がだるくなって座りたくなる。
少し休むとまた歩ける。
前屈みになると楽になり、また歩くことができる。
腰部脊柱管狭窄症には『間欠性跛行かんけつせいはこう』という特徴的な症状があります。
前傾姿勢になると狭くなった脊柱管に余裕ができ、脊髄にかかる圧が減ることで神経圧迫症状(足の痺れやだるさ等)が軽減します。
『腰の痛みはそれほど感じないが、長く歩けなくなった。』
『お店の中でカートを押している時は足の痛みを感じない。』
といった症状がある場合は脊柱管の狭窄を疑います。
脊柱管狭窄症の原因
先天的に脊柱管が狭い場合や、椎骨(背骨)、靱帯、椎間板などに
加齢に伴う変性がおこり、脊髄(神経、血管)を圧迫す
ることで腰痛や足の痺れなどが出現します。
腰部の前面に位置する腸腰筋
腰椎と大腿骨とを結ぶ『腸腰筋ちょうようきん』。
身体の前面に位置し、太ももを持ち上げ股関節を屈曲させる作用があります。
『大腰筋だいようきん』と『腸骨筋ちょうこつきん』を合わせて一般的に『腸腰筋』と呼ばれます。
大腰筋
下位胸椎と腰椎(椎体・肋骨突起)から大腿骨の内側 (小転子)に付着。
腸骨筋
骨盤の内側の縁(腸骨窩)から大腿骨の内側 (小転子)に付着。
この2つの筋肉が硬くなると腰椎(又は腸骨)と大腿骨が近づいて腰が引けた姿勢になり
身体を反る姿勢で腰に痛みが出る場合があります。
腸腰筋の硬さが脊柱管狭窄を悪化させる!?
腰を反ると脊柱管が狭くなり足の痺れや痛みが現れ、前傾姿勢になると症状が軽減する。
腸腰筋が硬くなると股関節後ろに引きづらく、前傾姿勢に近づく。
一見すると腸腰筋が硬い方が脊柱管狭窄の症状が軽減するようにも見えますが、
腸腰筋が硬い(短縮した)状態で直立した場合、腰椎と大腿骨が近づき身体が『くの字』の状態となり重心が前方へ移動します。
この状態のまま歩こうとするとバランスを取るために腰椎は前弯を強めます。
後ろに重心を残すための姿勢が腰を反らす原因となり、脊柱管への圧が強くなり
脊髄や血管を圧迫することで下肢の神経症状へとつながります。
腸腰筋アプローチで姿勢を変える
多くの場合、脊柱管狭窄症では保存療法(投薬、リハビリ)がメインとなります。
痛み止めなどで痛みをしっかりコントロールし、身体の柔軟性を上げるストレッチなどのリハビリを行い、自宅でもストレッチや体操をしているがあまり変化がない場合は、『腸腰筋』が硬いため反り腰のクセが取れていない可能性があります。
ポイントは体幹の柔軟性を上げて狭窄部位への圧迫を減らす事です。
的確に腸腰筋を緩めて脊柱に負担をかけない姿勢を持続させる筋力をつけることで、症状を緩和させることができます。
足の痺れなどで歩きづらくなったなど、脊柱管狭窄の症状でお困りの方はぜひご相談ください。